股関節痛とは、股関節(太ももの付け根)周辺に痛みが現れる状態の総称です。痛みは太ももの付け根(鼠径部)やお尻の外側などに生じやすく、人によって症状の出方は様々です。
歩行や立ち上がりなどで股関節に違和感や痛みを感じ始め、進行すると動かさなくてもズキズキ痛むこともあります。痛みが強くなると歩くのも困難になり、日常生活にも影響が出てきます。
股関節は上半身と下半身を繋ぐ重要な関節で、常に体重を支えているため負担がかかりやすい部分です。股関節周囲の筋肉や靭帯、関節包(関節を包む膜)には痛みを感じる神経が豊富に存在します。そのため、これらの組織が硬く緊張したり炎症を起こしたりすると神経を刺激し、股関節に痛みが生じるのです。
❶ 股関節に痛みや違和感を感じる
初期には股関節に軽い違和感や鈍い痛みを覚える程度ですが、次第に痛みが強くなる傾向があります。長時間歩いた後や運動の後にズキズキとした鋭い痛みを感じることもあります。
痛みの部位は鼠径部に出ることが多いですが、お尻や太ももの外側に放散する場合もあります。膝付近に響いて「膝の痛み」として感じることもあり、朝起きた直後や天候の変化で強まる場合もあります。
❷ 股関節の動きが硬く、可動域が狭くなる
足を横に開いたり深くしゃがんだりすることが難しくなり、あぐらや和式トイレの姿勢がつらくなることがあります。靴下を履くのにも苦労する場合も。
可動域が狭くなることで「関節が引っかかる感じ」が出たり、脚が以前より開かなくなったり、高い段差を越えにくくなったりします。股関節周囲のこわばりもさらに動かしにくさを助長します。
❸ 痛みで歩行など日常生活に支障が出る
痛みと動かしにくさが進むと、長時間の歩行や階段の昇降が困難になります。通勤や買い物など日常の移動がつらくなることも。
症状が進行すると杖や手すりが必要になったり、寝返りすら痛く感じることもあります。動くことが怖くなり、気分が落ち込むなど精神的な負担にもつながりやすくなります。